廃棄物収集運搬許可
廃棄物収集運搬許可
これが一番ややこしいです。
家庭から出される不用品はすべて価値の無い廃棄物とみなされ、収集や運搬には「廃棄物収集運搬許可」という許可が必要になります。
しかし無料回収業者は建前上、価値のあるリサイクル可能な「有価物」とみなし、決して廃棄物とはみなしません。
グレーゾーンとでも言うべきなんでしょうか。
廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
まずはこちらを御覧ください
【参考資料 廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)経済産業省】
この法律を読むと「廃棄物」とは以下のように定義されています。
ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)
となっていて、この「廃棄物」は3種類に分けられていることがわかります。
廃棄物の種類
@一般廃棄物
産業廃棄物以外の廃棄物
A産業廃棄物
一 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
二 輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の四第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)
B特別管理産業廃棄物
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるもの
グレーゾーン?
うーんすでにここで頭が痛くなってきますね。
無料回収の話に戻りましょう。
無料回収の資格で議論になるのは上記3つの中では「一般廃棄物」です。
家庭から出されるゴミや不要品はすべて一般廃棄物になります。
一般廃棄物関連の許可の中で「一般廃棄物収集運搬許可」というのが無料回収に必要か否かで行政も頭を悩ませているようです。
この「一般廃棄物収集運搬許可」ですが、上記で述べたとおり「廃棄物」に対しての許可です。
何が言いたいのかというと、廃棄物として引き取る場合には「一般廃棄物収集運搬許可」が必要ですよーということなのです。
逆に言うと廃棄物じゃなければこの許可はいらないということなんです。
無料回収業者はご家庭から引き取る不要品をリユースできる「有価品(価値のある物)」として無料で引き取っています。
それを国内の買取業者に転売しているわけですね。
この部分がグレーゾーンなのです。
国内の買取業者から先はどう処分するかわからないのです。
話によるとそのまま外国に流し、ほとんどの場合人件費の安い国外で分解し利益のあるものは抜き取り、それ以外は廃棄するそうです。
しかも償却や埋め立てなどという適切な方法ではなく、その辺に山積みなんてこともあるそうです。
ひどい業者になると
これは明らかに法律違反ですね。
行政の考え
そこで行政も考えました。
【参考資料】使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について(通知)の発出及び 使用済家電製品の正しい排出に関する普及啓発について (お知らせ)環境省
@特定家庭用機器再商品化法施行令(平成10年政令第378号)第1条に定められる使用済特定家庭用機器(家電4品目:洗濯機・乾燥機、冷蔵庫・冷凍庫、テレビ、エアコン)については、以下のとおり取り扱うことが適当。
(1)中古品としての市場性が認められない場合(年式が古い、通電しない、破損している、リコール対象製品である等)、又は、再使用の目的に適さない粗雑な取扱い(雨天時の幌無しトラックによる収集、野外保管、乱雑な積上げ等)がなされている場合は、当該使用済特定家庭用機器は廃棄物に該当すること。
(2)廃棄物処理基準に適合しない方法による分解、破壊等の処分がなされている場合は、脱法的な処分を目的としたものと判断されることから、占有者の主張する意思の内容によらず、当該使用済特定家庭用機器は、廃棄物に該当すること。
A特定家庭用機器以外の使用済家電製品についても、無料で引き取られ又は低廉な価格で買い取られる場合であっても、直ちに有価物と判断されるべきではなく、総合的、積極的に廃棄物該当性を判断されたいこと。
実際に私の住む片田舎でも同じことを巡回に来た行政の担当者に言われたそうです。
だからといって一般廃棄物収集運搬許可は無料回収業者が容易く取れる許可ではありません。
条件が非常に厳しく、新規参入が難しいのです。
許可を取ろうと思っても市区町村が行うべきゴミ処理を委託する会社の数はおいそれと増やすことができません。
ごみ処理業者だらけになっても困るのです。
こんな理由もあってまず許可はもらえないでしょう。
無料回収業者の考え
現時点では有価品として無償で引取り、粗雑な扱いをせず、買取業者に販売するのであれば一般廃棄物収集運搬許可はいらないという見解で活動している業者が多いです。
この「有価物」(価値のある物、リユースできるんもの)か「廃棄物」(捨てるもの)かという判断は非常に難しく、行政も手を焼いているようです。
グレーゾーンとも言える非常にデリケートな問題ですので気になる方は役所等に相談してみることをおすすめします。
あ、大事なこと言い忘れました。
「専ら物」・・・・・・古紙、くず鉄、あきびん類、古繊維
もっぱら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集運搬を行う場合は許可は必要ありません。